自社サイトを1年以上動かしてきて、2026年8月15日に、他のサイトから何本リンクされているのかを数えてみたんです。ついでに、そのうち何本をGoogleが実際に数えているのかも調べました。
4ドメインでした。そのうち、検索の評価が流れているのは2本です。
この2つの数字の差が、この記事で言いたいことのほぼ全部です。外部リンクの話を探すと、外部リンクを売っている会社の記事によく行き当たります。小さい会社が自分の実数を出している例は、私が探した範囲では見つかりませんでした。だから出します。
測り方は2段階で、うちは2段階目を飛ばしていた
1段階目は Google Search Console の「上位のリンク元サイト」です。Googleが「このドメインからあなたに向いたリンクを見つけた」と教えてくれるレポートです。
2段階目は、そのページ自体を開くこと。ブラウザで相手のページを開き、自社ドメインに向いた a タグを探して、rel 属性を読む。
うちが飛ばしていたのは2段階目のほうです。Search Consoleのリンクレポートには nofollow のリンクも入ります。レポートに載っているのは「Googleがリンクを見つけた」証拠であって、「そのリンクがあなたの役に立っている」証拠ではありません。1段階目で止めると、ディレクトリ登録が効いていると結論して、もっと登録しに行くことになります。
実務的な注意がひとつ。コマンドラインで取ってくる方法では読めません。変換の途中で属性が落ちる道具が多いのと、この手のサイトはボット対策で中身の代わりに待機画面を返してくるからです。生きている画面から読む必要があります。
Search Consoleにあった4ドメイン
- goodfirms.co:リンク元ページ3
- 当社が納品したお客様のサイト:1
- fact-link.com.vn:1
- twitter.com:1
2026年8月15日時点のエクスポートで、Search Consoleが把握しているのはこれで全部です。Googleが報告している数であって、世の中に存在する被リンクの全数ではありません。少ないですよね。それでも、大きくて曖昧な数字より、この数字を書くことにしました。
rel を読んだ結果
GoodFirms(BtoBのソフトウェアディレクトリ)は nofollow。Twitterも nofollow。Fact-Link(ベトナムの企業ディレクトリ)は制限なしで、評価が流れます。当社が納品したお客様のサイトは rel="noopener noreferrer" で、ここでは何も制限していないので、これも流れます。
ついでに、Search Consoleに出てこなかった面も開きました。載っていないのか、そもそも無いのかを分けたかったからです。
Crunchbaseの企業ページには自社サイトへのリンクが2本あり、どちらも rel="nofollow noopener noreferrer"。Apple Business Connect は登録済みですが、公開ページのURLを見つけられず、レポートにも apple.com も maps.apple.com も出てきません。Clutch はポートフォリオまで入れた完成プロフィールがあるのに、レポートには影も形もありませんでした。理由は開いてみて分かって、自社サイトのURLがアンカーではなくただの文字列で置かれており、「Visit Website」のほうは Clutch の転送URLを経由していました。そもそもリンクとして存在していなかったわけです。
記事を出しているノートも見ました。自社サイトへの外部リンクが3本、全部 rel="noopener nofollow"。ドメインもレポートに出てきません。
残った2本のうち1本は、事故で手に入っていた
登録した全部、作ったプロフィール全部、使っているプラットフォーム全部の結果が、評価の流れるリンク2本です。
1本はベトナムのディレクトリ。もう1本は、うちのエンジニアがお客様のために作ったサイトで、フッターに制作クレジットが入っているものです。お客様のドメイン名はここでは伏せます。
後者はリンク獲得の施策ではありません。誰も計画していない。仕事をした副産物です。そしてディレクトリのプロフィール全部を足したより価値があります。
やめたこと
次に登録するディレクトリのリストがありました。閉じました。
これはうちに固有の話ではありません。フォームに入力すれば手に入るものは、要するにユーザー投稿です。nofollow はまさにそのためにある属性なので、多くのサイトはユーザー投稿を nofollow にします。例外はあって、実測した範囲では TechBehemoths と e27 の企業プロフィールは制限がありませんでした。ただし例外かどうかは、登録する前に自分で rel を読まないと分かりません。お金を払う配信も同じ構造で、国内最大手のプレスリリース配信から張られるリンクの多くも nofollow です。配信で買えるのは到達であって、評価ではありません。
無料で残っていた道も狭くなりました。記者と専門家をつないでいた HARO は Connectively に統合され、2024年12月9日に終了しました。2025年4月に Featured.com がブランドを買い、有料サービスとして再開しています(Prezlyの整理。料金は公式サイトを直接確認できていないので、金額はここには書きません)。無料の後継として Source of Sources が動いていて、有料側は Qwoted が押さえている、という並びです。
その一方で、実務家が一番効くと答えている手法は、買えないものです。業界調査では、48.6%が「デジタルPR」——他の書き手が引用せざるを得ない独自データを出すこと——を最も効果的な手法に挙げています(出所)。
うちが手を出すことにした3つ
3つとも形は同じです。相手が自分の意思で渡してくれるリンク。他にもあるかもしれませんが、いまのうちに手が届くのはこの3つでした。
納品した仕事に名前が残る。 他社のソフトウェアやサイトを作っているなら、うちの場合はそれが一番効いたリンクでした。条件は2つあって、お客様に必ず断ること、それから同じ文言のリンクを何十本も並べないこと。並べると、クレジットではなく操作として読まれます。
記者がすでに出している質問に答える。 かかるのは経営者本人の時間だけです。小さくて変わった会社であることが不利にならない、数少ない場所でもあります。
誰も持っていない数字を出す。 この記事がそれです。うちが持っていたデータのうち、競合が先に出せないものは、自社の実測値だけでした。競合として報告した店舗が倒産していた話を書いたときにも同じことを思いましたが、手元のデータを疑って数え直すのは、うちも今回まで後回しにしていました。
答え合わせの約束
12か月後に同じ2段階の測定をして、結果を出します。評価の流れるリンクが2本から動いていなければ、この記事に書いたやり方は効かなかったということで、黙って書くのをやめるより、そう書くほうを選びます。
テストが全部通っているのに本番で壊れる話を、うちのエンジニアが別の記事に書いていました。レポートが緑なのに評価が流れていない、というのも、構造としては同じ間違いでしょう。合格の定義を、測っていないものの上に置いてしまっている。
よくある質問
Search Consoleに出ているのに「効いていない」とはどういう意味ですか?
Search Consoleのリンクレポートは、Googleが見つけたリンクを載せるもので、評価が流れるかどうかで選別していません。nofollow のリンクも同じ表に並びます。だから「レポートに載った=効いた」とは読めません。載っているかどうかと、評価が流れるかどうかは、別々に確認する必要があります。
nofollow のリンクは無意味ですか?
検索の評価という一点では流れません。人がクリックして問い合わせに来る可能性は残りますが、うちはディレクトリ経由の流入をまだ測っていないので、効いているとは言えません。無意味だと決めつけるのではなく、検索順位のために時間を使う対象ではない、というのが今の整理です。
ディレクトリ登録は全部やめるべきですか?
いいえ。やめるべきなのは「リンクが増えるから」という理由で数を増やすことです。掲載先を見込み客が実際に見て問い合わせてくるなら、その目的で残す判断はあります。判断の基準を、リンク本数から流入と商談に置き換えるだけです。
自社サイトの数字を、一度だけ正しく測ってみませんか
リノエッジはベトナム・ホーチミンのソフトウェア開発会社です。システム開発の専任チームを組む会社ですが、自社サイトの計測も、この記事のとおり自分たちでやっています。同じことを社内でやりたい方の相談も受けています。
東京とベトナムの二拠点で、ITオフショア開発・海外進出支援事業を展開。「気合いより仕組み」を信条に、不透明になりがちな越境ビジネスを構造化する経営者。「個人のスキル」ではなく「再現性のある品質」を組織と顧客へ提供することにコミットしています。
