ホーチミンで自分の会社を経営しながら、いくつもの進出のご相談を受けてきました。うまくいく会社とそうでない会社を分けるのは、資本金でも業種でもありません。現地で誰と組み、何を任せ、何を任せないか——その設計です。
書類や登記は、その後の話です。手続きは専門家に頼めば進む。でも、進出が本当に動き出すかどうかは、もっと手前の判断で決まっています。
ベトナムでは、中間層が消費の主役になりつつあります。以前は「安く作りたい」で来ていた相談が、ここ2〜3年で「どう売るか」「誰と組むか」に変わってきました。飲食、小売、食品。対象になる顧客が、あらゆる産業で立ち上がっています。
ご相談を受けると、8割の会社が同じところで止まっています。ワークパーミットも、法人設立も、税務も、専門家に頼めば前に進む手続きです。本当に効いてくるのは、その手続きが終わったあとに起きることでした。
現地で経営してきて、わかったことは、ひとつです。
ベトナム進出は「設立して終わり」ではなく、「設立してから、本当のスタート」だということ。
— 原田 祥吾 / リノエッジ代表
外から助言するのではなく、自分の資本を入れ、現場に立ってきました。だから、机の上の分析からは出てこない判断ができます。設立支援も、共同出資も、貿易も、そういう経験です。
100年以上続く酒造メーカーのベトナム進出に関わりました。最初にやったのは商品を運ぶことではなく、「なぜこのブランドが、ベトナムの人の食卓やお店で選ばれるのか」という仮説を立てることでした。
日本で売れている理由が、そのままベトナムで通用するとは限りません。むしろ通用しないことの方が多い。だから、現地の飲食店やホテルがどんな場面でその一杯を出すのか——そこから逆算して、販路と取引スキームを設計しました。
商品の入り口から、実際に棚に並ぶところまで、ひと通り自分で動いています。だから次の進出でも、どこでつまずくかが、先に見えます。
ホーチミン市内の飲食店に、複数の店舗で共同出資しています。コンサルとして外から助言するのではなく、自分の事業として現金を入れ、損が出れば自分も被る側に立っています。
なぜそこまでするのか。外から眺めているだけでは、ベトナムの消費者の本当の財布の感覚も、現地スタッフが何で動いて何で辞めていくのかも、結局わからないからです。自分のお金がかかって初めて、「なんとなく良さそう」では済まなくなります。
その緊張感の中でしか見えてこない現場があります。御社の進出を考えるときも、僕はその目線で一緒に見ます。
最初のご相談は「エンジニアを採りたい」でした。でも、本当に決めなければいけなかったのは、もっと手前のことです。どんなスキルの人を、どんな条件で採るか——それは「ベトナムでどんな文化の会社をつくるか」と、ほとんど同じ問いでした。だから、採用基準を設計するところから一緒に始めました。
オフィスの場所も、ワークパーミットを通す順番も、設立後の経理体制も、すべてその一つの判断にぶら下がっています。バラバラの手続きとして専門家に振り分ければ、たぶん「設立」はできた。でも「回る会社」にはならなかったと思います。
設立から半年後、現地のメンバーが自分たちで意思決定を始めた瞬間がありました。進出が成功したと言えるのは、その日です。書類が揃った日ではありません。
ITシステム開発の拠点づくりについてはこちら →ベトナム産のカカオ豆を日本へ輸出し、ベトナム産のチョコレートを日本市場に持ち込んでいます。農家との直接交渉、検疫や輸出の手続き、日本側のバイヤーとの接続——ひと通り、自分の手で通しました。
この仕事でいちばん難しいのは、実は書類でも検疫でもありません。農家と、何を約束し、何を約束しないかです。価格だけでつながった関係は、翌年には別の買い手に流れていく。貿易実務の教科書には、そこは書かれていません。
モノが国境を越えて棚に並ぶまでに、どこで信頼が切れるか。それを一度、自分で経験したことが、進出支援のときの判断材料になっています。
「ベトナムに詳しい人」より、
「ベトナムで実際にやった人」。
対応できる範囲は下のとおりです。ただ、全部をまとめて任せることが正解とは限りません。御社の体制を見て、自分でやるべきところと任せるところを切り分けるところから、一緒に考えます。
判断と実行が、地続き
市場を判断する人と、設立・採用・運営を動かす人が同じ。だから、判断が現場でぶれません。
自分もリスクを取る
飲食店への共同出資も、農産物の貿易も、自分が損をする側にいます。だから、外からは言えない話ができます。
現場にいる
日本食イベントの運営から、酒造メーカーの販路開拓まで。現場で実際にやってきたことだけを話します。
うまくいくのは、御社の事業が回り出したとき。
僕たちの仕事が終わったとき、ではありません。
順番の話を先にさせてください。設立を最初に置くと、あとから全部やり直しになる——そういうご相談を何度も受けてきました。僕たちの標準は、こうです。
すでに設立済みで壁にぶつかっている場合は、途中のステップから入ります。順番は、御社の現在地に合わせて組み替えます。
進出支援の費用は、「どこからどこまで任せるか」で桁が変わります。だからこそ、先に出せる数字と、出せない理由の両方を書いておきます。
参考: 進出コンサルティングの一般的な相場は、事前の市場調査だけで数十万円からと言われます。同じ額を使うなら、僕たちは「レポートを納品して終わり」ではなく、売れるかどうかを実地で確かめるところまで使うことをすすめています。テスト販売から始めれば、法人設立の費用を使う前に、市場の答えが出ます。
正直に言うと、登記だけを最安で済ませたい場合、僕たちは向いていません。手続き代行を専門にする事務所の方が安いはずです。僕たちがお役に立てるのは、「設立の先」まで見据えている場合です。
進出を検討している段階でも、もう動き始めて壁にぶつかっていても。
まず、30分話しませんか。
進出を検討している段階でも、すでに動き始めているけれど壁にぶつかっている状態でも、どちらでも構いません。30分の壁打ちで、何が課題で、何から手をつければいいかが見えることが多いです。
ホーチミンで会社を経営してきました。最初の数年でわかったのは、僕が自分のやり方を世界の標準だと思い込んでいた、ということでした。言語ではなく、物事の優先順位の付け方が違う。それに気づいてから、経営の前提そのものが変わりました。
システム会社の採用基準を一緒に設計したのも、飲食店に共同出資したのも、その延長線上です。自分が損をする側に立って初めて、見えてくる景色があります。
「ベトナムについて詳しい人」よりも、「ベトナムで実際にやった人」のほうが、お役に立てると考えています。
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